レスキューワックスキャラバンドライバー・ファーイーストカップ2023阿寒メインスポンサーを務める。フォトグラファーとしても活動。

最もスーパー無双に関わり、ナショナルチームメンバーへの施工、チューンナップの経験からスーパー無双について説明させて頂きます。
よく、チューンナップの専門家は「いかに滑る滑走面を作るか」と言います。
この無双シリーズも同じ発想で、スキースノーボードが雪に当たる面である滑走面を如何に滑る滑走面にするか、高い滑走状態を維持するか、保護するかが重要です。
このポリエチレンコーティングは、さまざまな塗り方のバリエーションや使い方によってその滑走性や耐久性、保護性能を変えることが出来るため一つのWAX(コーティング)により様々なユーザーに対応しているのが特徴です。
現在もっとも売れているワックス「スーパー無双」
スキースノーボード用ワックス(コーティング)で2023−2024シーズン最も売れたワックス1位をスーパー無双、2位を無双が選ばれました。従来の面倒な作業から解放され、簡単に最大ワンシーズン耐久するコーティングはski、snowboardの滑りを根底から変えるこのワックスの使い方を最も関わりが深いワックスマンが実際の現場の声とともに紹介します。

無双が苦手な雪を克服したスーパー無双ver2.0
コーティングは表面を平らにしてしまうため水分が多い気温-3度以上で降る大粒の新雪などで水に張り付く現象が起きてしまうことがあります。
無双、スーパー無双が苦手だったこれらの雪質に対して、スーパー無双ver2.0はポリエチレンにシリコーンを結合させることで撥水性・撥油性、耐磨耗性を向上することでこれら滑りの悪い雪質に対しての滑走性を大幅に向上しました。
選手との様々な取り組み
スーパー無双は現在直接のサポート選手、一般のお客様、無双スペシャリスト認定店のサポート選手と様々な選手が使って下さっています。
アルペンスキー、スノーボード、クロスカントリー、スロープスタイル、モーグル、ハーフパイプと全日本や世界大会での表彰台も獲得しています。
無双が滑らないというお客様によくあること
無双を使ってみたが、パラフィンより滑らない、期待通りではなかった方のほぼ100%が塗り方の問題です。
以下の3点に注意してください。
①スキースノーボードのフラットさと共に使う道具であるアイロンもコンベックス・コンケーブ(凸凹)があります。
安いアイロンは元々フラットが出ていなく、滑走面に接触する場所が少なく塗ることが出来ない場合があります。
対応策:弊社推奨アイロン(ガリウム社TU0205アイロン)を使用してください。また、施工前にご自身の板がフラットなのかコンケーブなのか、コンベックスなのかチェックしてみて下さい。そうすることで塗りやすい板なのか塗りにくい板なのか予測が付きます。
②下地処理として、パラフィンワックスがない状況で塗る必要があります。新品でも最終仕上げでワクシングされていることがあります。必ずリムーバーでパラフィンワックスを落としてから施工して下さい。
高分子ポリエチレンの滑走面(シンタードやP-TEXと呼ばれる)では細かな溝に入ったパラフィンワックスが取りきれないことがあります。私の場合は5度くらいリムーバーで落とす作業をした後に、無双を2回から3回塗ることで完全に無双と入れ替えます。無双はクリーニング効果もあるので熱により古いワックスを浮き立たせてくれます。削りカスがベタついていたり、黒い場合はその合図です。
③アイロン温度:アイロンは140度を目安にとYouTubeの説明などで紹介していますが、実際にはアイロン盤面が110度以上の温度になることで無双が溶けます。
アイロンの目盛りは全くの目安でしかなく、実際に出る温度はそれ以下がほとんどです。経験上では非接触温度計で測定したところ、同じ140度でも一番ひどいアイロンは68度でした。ぜひ推奨のアイロンか、温度計で測る、もしくは最大の温度にして煙が出たら少し下げたところが使える目安です。
また、実際に無双に当てた時、瞬時(1秒)に液化すると正しい温度です。
白くパリパリとしている場合は滑走面に無双が密着していないため、そのままスクレーピングすると全て剥がれ落ちてしまい、滑走面には何も残らない状態になります。
最も基本とする施工方法
事前準備
スキー・スノーボードのマテリアルチェック
フラットでない部分は塗りにくくなります。まずはご自身の道具の状態をご理解ください。
※フラットチェックのやり方は滑走面に透明でない定規などを載せ90度に立てます。後ろから光が刺す場所が凹んでいる場所になります。凹んでいる場合アイロンの熱が届かない隙間ができるため塗りにくくなります。
アイロンのフラットチェック
アイロンも同様にフラットチェックを行います。凹んでいるアイロンは使えません。
アイロンは熱で歪みます。盤面のしっかりしたものを推奨しています。
アイロンの温度チェック
アイロンは内部のヒーターの性能とヒーターの分布・大きさで熱がどこにどれだけ出るかが変わります。無双施工に必要な温度は盤面に110度です。最低90度以上あればある程度溶けて作業がしやすくなりますが、90度でない製品が存在することをご理解ください。また、非接触温度計がない場合は最大温度にして煙が出たら少し下げた温度が目安です。
滑走面のクリーニング
初めてチームレスキューワックスのコーティングを行う場合は市販のリムーバー等で油分(パラフィンワックス)を落としてください。
無双をかけた方の2度目以降の場合は、ブラシで表面汚れを落とす。または先にスクレーピングでワンシーズン使った表面に刺さった汚れをとってから施工に入ると良いです。
以下のYouTubeで紹介していますが、慣れない方はこのようにしてみてください。
特に競技をされる方は参考にして下さい。
スキーもスノーボードも、塗る際にどの程度冷えているのか、暖まっているのか、作業部屋の温度なども関係します。
最も楽に作業するのなら、30cmごと塗ってみて下さい。スノーボードなどは30cmをさらに左右に分けます。
無双を撒き,アイロンで一旦溶かす→進行方向にアイロンをかける(この際、私の場合は手を止めることなく1秒間に10cm程度動かします)→スキーも30cmを左右で塗り、塗った後に無双が液化し半透明になることを確認して下さい。アイロンを置いたら即座にスクレーピングします。
また、ムラがある場合はさらにもう一度アイロンをかけ即座にスクレーピングします。スクレーピングの量は結構削ってもOKです。
液化した無双は滑走面と密着し、スクレーピングにより不要な部分のみ削ることができます。
かなり薄くなるまで削っても大丈夫です。これは雪に当たる面で最も硬い滑走面と無双が一体化することで、滑る滑走面を作るわけです。
無双はこの薄く、滑る滑走面を作った状態で数百キロ滑ります。
もちろん、トップ選手がアイスバーンで滑り続けた場合など、状況により滑走距離は異なりますが、それでも数日滑ることができ、例えば遠征時に1週間ホットコーティング(ホットワックス)をしなくても問題ありません。
また、競技者は滑る直前の雪質に合わせてチームレスキューワックスのその他のワックスを併用することでさらに高い滑走性を得たり、無双を長持ちさせたり、無双がなくても滑る状態を作ることができます。
商品ラインナップ

ストラクチャーへも対応
無双系はストラクチャーにも対応します。
私の経験では、0.04mmから0.06mmのストラクチャーとのマッチングがよく、それ以下でも板のフラット度合いによって綺麗に仕上げることが出来ます。
また、このほかに弊社開発のディンプルストラクチャーという選択肢もあります。


親水性と撥水性 親油性と撥油性を併せ持つ
ポリエチレンコーティングは優れた水弾き性と共に油を弾く性能を持っています。
フッ素は撥水性と言われますが、撥水性の他親水性も重要な要素で、どちらも水を受け流す効果です。
水と油を弾く効果と受け流す効果を持つことで汚れが付きにくく、ウェットでも高い滑走性を持っています。
スノーボードやファットスキーへの塗り方のコツ

スノーボードやファットスキーは特殊な形状なものも多く、フラットでなかったり凹んでいる部分があり、とても塗りにくいことがあります。
これはもはやどうしようもなく、ある程度は諦めが必要です。
基本的なやり方はYouTubeをご覧ください。
よくある問題点は、バインディングの裏側がネジで引っ張られていて凹んでいる。エッジ際が塗りにくい。などですが、あまりエッジに熱をかけ続けると、エッジから内部へ熱が入ってしまい、剥離の原因になります。
このような場合は、アイロンの上で先に無双を溶かしてから塗る。少し多めの量で塗り埋める(ただし溶けきれないため白くなる)、アイロンのエッジを使うなどが有効です。そういった面でもガリウムのアイロンTU0205は扱い易く、お勧めしています。
アイロンがない、塗る技術が心配、場所がない。などご自身で塗ることが出来ない方も多くいらっしゃいます。そうした時は、無双スペシャリスト認定店にお任せください。スキースノーボード業界のチューンナップショップや販売店の技術者が施工を行います。
基本料金は8000円から12000円程です。
例えば九州のバックボーンでは、九州エリアのお客様限定でワンシーズンメンテナンス補償付きです。実際にはシーズン中に2度かけることがないほど保つため、補償は必要ないくらいですが、自信を持ってお勧めできる施工を行っています。
愛知県春日井市のICDIは年間施工数が最も多く、サンディングやストラクチャーマシンも所有しており、多くの方が利用しています。モーグルオリンピックの堀島行真選手をはじめ、多くの選手のチューンナップを手掛けています。(詳しくはICDIのSNS:https://www.instagram.com/icdi.tune.up/)
東京都はタクトスキーラボ(冬は奥志賀店)に梅ちゃんがいます。バックカントリーやスキーのお客様に高い知識を持っています。彼とはよく奥志賀で撮影も行います。
千葉、シフトはサポート選手で元ナショナルチーム須藤高太郎やスノーボードクロス鈴木大輝が所属し、スキースノーボードに対して高い知識や経験を持っています。
秋田のシードではクロスカントリーからスキースノーボードの全てに対応しています。ビゲストサムライは、東北のJSBAの拠点となりトップ選手の育成から大会運営などスノーボードに対して高い知識を持っています。
北海道では、クロスカントリー専門店のニッセンスポーツ・成田スポーツが施工サービスを行っており、クロスカントリーをされる方にもおすすめです。
克服の仕方
この対策には ストラクチャーを入れる、黒固形を使う、ディンプルストラクチャーを入れることで対策が可能です。
ストラクチャーは溝のことでタイヤの溝のような役割をします。
黒固形はワックスでストラクチャー効果を出すことができ、トップ選手は黒固形をギザギザと多めに塗った後、コルクで圧着しています。
黒固形はコルク無しで効果があるのでそのまま擦り付けるだけでもokです。
チューンナップショップからの質問(サンディングについて)
無双をしているとサンディングが出来ないとの声をいただきます。実際にはサンドペーパーの番手の使い分けで問題なく削れます。
無双はパラフィンと違い粘着性が無くサラサラなため、パラフィンと比較して逆に作業性が高くなります。
塗りっぱなしや厚塗りをしているケースがありますが、この状態では無双だけでなくパラフィンも同様で、サンディングペーパーの目を潰してしまうため嫌がられます。
チューンナップに出す前に、そのままスクレーピングする。またはもっと簡単に削る方法として、そのままの状態からアイロンをかけ、すぐにスクレーピングします。スノーボードなどはフラットが出ていない板などはよく切れる3mm厚のスクレーパーで削るととても削りやすいです。
スノーボードも全体を一気に削るのではなく、部分的に削ることでとても使いやすくなります。
また、上記のようにしっかり滑走状態を作った状態では、皮膜厚が非常に薄いためそのままサンディングしてもまず問題ありません。
シーズン後の保管

ポリエチレンコーティングは、シーズン後まだコーティングが効いている場合は来シーズンもそのまま滑ります。熱のかからない場所、涼しいところでエッジが錆びないよう一度水洗い等をしてから保管します。できればエッジにエッジワックスの侍を少し厚塗りして保管するとエッジも錆びずに来シーズンそのまま滑れます。
特に、3月以降滑るお客様はスキー場で硫安という凍結促進剤が撒いてあることがあり、エッジがすぐに錆びます。スキーが終わったら直後に水洗い等、洗う癖をつけると良いです。この際もエッジワックスを塗っておけば翌日以降もそのまま滑れます。
※熱のかかる場所に保管した場合は表面が少し白くなります。これはポリエチレンコーティングが熱により少し溶けた状態になります。車の中やキャリアの中、太陽の当たるところに置くとなることがありますが、この場合はそのまま滑っても滑走性に問題ありません。気になる場合は、スクレーピングを行うか、可能なら再度アイロンをかけてからスクレーピングすることで改善します。
注:酸化するというのは間違っています。パラフィンは酸化(気化)しますので滑走面が白くなりますが、滑走面自体は酸化せず、白いのは油(パラフィン)切れによる毛羽立ちです。

コーティングの進化
ポリエチレンコーティングで最も歴史あるチームレスキューワックス。これまでもすでに10年以上のノウハウを持っています。 2023年より山岳無双スーパーはスーパー無双の上位版として発売し、より塗りやすさと滑走性を向上しました。 また、現在サポート選手とともにテストしている次期型スーパー無双は、価格を抑えて出来れば据え置きで出したいと検討していますが、その性能はさらに良いものになる予定です。すでに全日本優勝、ワールドカップ等でも使われており実績とテストを繰り返しています。乞うご期待!
OEMの可能性
フッ素フリーのポリエチレンコーティング、ワックスを今後はOEMにて出す計画を検討しています。スキーメーカー、スキー場、チューンナップショップ、量販店への展開を検討しています。