マスターズ世界大会の実力者、国体初出場へ パワーリフティング、白馬村の沖浦さん「喜寿が闘う姿見せる」
パワーリフティングのマスターズ世界大会で活躍する白馬村神城の沖浦克治さん(77)が、9月に鹿児島県知名町で開かれる国体に初出場する。
同町教育委員会によると、男女の出場者計130人のうち最年長。
沖浦さんはこれまで世界大会挑戦を優先して国体出場は見送ってきたが、今回は「喜寿のじいさんが年齢に関係なく闘う姿を見せて高齢者を勇気づけたい」と意気込んでいる。
パワーリフティングはバーベルを肩に担ぎ、しゃがんで立ち上がる「スクワット」、ベンチ台に横になり、胸の上で押し上げる「ベンチプレス」、床に置いたバーベルを引き上げる「デッドリフト」の3種目で総重量を競う。
沖浦さんは国体選考を兼ねて6月に金沢市で開いた北信越大会の59キロ級で、総重量370キロを上げて3位で国体出場を決めた。
長年の競技生活で肩を傷めたため、ベンチプレスは優勝した選手と約50キロ差があったが、スクワットは15キロ差、デッドリフトは30キロの差で「若い選手にはまだまだ負けない」と語る。
国体は16人で競う。最年少選手は22歳で、自身との年齢差は55歳。パワーリフティングは国体では正式競技以外の「公開競技」の位置付けだが、77歳の自分の出場によって注目してもらい、競技人口の増加や正式競技への昇格に弾みをつけたい考えだ。
「自己ベストを出すつもりで勝ちにいく」と力を込めた。
沖浦さんは神戸市出身。腹回りの脂肪が気になり始めた36歳の時、ボディービルダーの同僚に勧められてパワーリフティングを始めた。
兵庫県大会で3位になり、「小さな銅メダルをもらい、うれしくて病みつきになった」。 国内大会で優勝を重ね、2000年に年齢別の世界大会で60キロ級に初優勝したのを皮切りに世界大会で5回頂点に立った。
15年の大会では、70歳以上の74キロ級で総重量480・5キロの世界新記録を出した。記録は今も破られていない。05年に白馬村に移住し、トレーニングジムを経営しながら競技を続けている。
国体後の10月にはモンゴルでの世界大会を控える。これまでに60キロ級、66キロ級、74キロ級で優勝しており、今回の59キロ級で優勝して4階級制覇を果たすのが今年の目標だ。信濃毎日新聞デジタル Tweet